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THE FLAMENCO
Alma Caravan
旅の始まりはアントニオ・ガデスに会いたくてスペインへ
THE FLAMENCO ALMA CARAVAは、THE FLAMENCO ALMA CARAVAは、グラナダへ渡った一人の日本人女性と舞踏に魅入られた一人の日本人アーティストとが起こす化学反応が魅力的な旅公演プロジェクトだ。フラメンコ舞踏家 石川亜哉子と舞踏の柴崎正道がスペインで出会ったことから始まった。
石川亜哉子は、日本で見たアントニオ・がディスの踊りが忘れられず、フラメンコを習い始め、どうしてもガデスに会いたいと、スペイン語もわからないままアンダルシアの地へ一人乗り込んだ。
今でも昔ながらの慣習を大切にするロマ族の伝統芸能であるフラメンコ。日本人が本場で踊れるわけがないだろという周りの雰囲気に押しつぶされそうになりながらも、大好きなフラメンコの近くにいられる幸せを感じることで様々な試練を乗り越えてきた。
そんな中、『八尾比丘尼』のスペイン公演で人魚の肉役で出演していた柴崎正道に出会う。暑い夏、本当に引きちぎられた肉が動いているかのように思わせる柴崎の動きに、スペイン人の観客も卒倒する人が続出。そんな柴崎に石川は衝撃を受け、柴崎のスペイン滞在中、何度も一緒にペーニャと言われるフラメンコ仲間たちが集う小さな酒場に共に通った。そこで、柴崎はフラメンコのもつ力に魅了され、帰国後も石川と交流を持つことになる。
時は流れ、石川はグラナダのアーティストといつか日本で公演してみたいと夢を持つ。
その夢は石川がスペインに移り住んでから25年後にかなうことになる。
2022年、魂の旅公演 Alma Caravanと名付け、日本での公演を企画する。
石川は柴崎と共に本当に大切なものは心の目で見えるものだということをフラメンコと舞踏で表現する、『Cierra los ojos... 目を閉じて』という作品を作り上げる。
公演は誰の招聘があったわけでもなく、すべて手作り。石川の思いに共感した人たちがたくさん協力してくれて叶った最初の一歩だった。
しかし、2020年1月公演のすぐあと、パンデミックが世界を襲い、人の行き来が一切とまり、人々は恐怖と不安のなか生きることを余儀なくされた。
アーティストたちも職を失い、生きていくために、ありつける仕事は何でもやった。
長く続いたパンデミックで、アーティストたちは絶望の底に閉じ込められ、船出をしたばかりのAlma Caravanも出口がないトンネルに入ってしまったかのようだった。
でも、メンバーは、またいつか共に唄い踊れる日が来ることを信じていた。
そして2022年その兆しが見えてきた時、その乗り越えてきた「苦しみ」「悲しみ」そして「祈り」「希望」をテーマに作品を作りたいという思いが自然に沸き上がった。
長い停泊期間を経て、メンバーを乗せた船は再び魂の旅 Alma Caravanへと出航の準備を始めた。
フラメンコは、現代においてはバレエの要素の強い舞踊団、現代舞踊の要素が強い個性的なソロアーティストの公演などが人気を博しているが、もともとは地元の民が、魂の赴くままに即興で唄い、奏で、踊る民謡だった。
THE FLAMENCOは、その民謡の要素をとても愛おしく大事にしていることが特徴だ。
そんなTHE FLAMENCOが、民の生活と深くかかわる他国の芸と交わることで起きる化学反応。それがAlma Caravan の醍醐味。2023年春 唄魂、音魂、舞魂の力で、文化や言葉の違いの壁を取り払い、観客と一体となって「ORATIO 祈り」を天に届けたい。